カラヴァッジョ展@あべのハルカス美術館

イタリア旅行でお気に入りのカラヴァッジョ

旅行で知って気に入った画家であるカラバッジョが来ると楽しみにしていました。

今回やっと観覧でき、大満足の展覧会になりました。

印象派の画家の展覧会は多く開催され機会が多いですが、バロック期の画家の作品はなかなか珍しく感じます。

絵画以外の情報量が多く、画家に詳しくなくても楽しめる展覧会

普段の展覧会では絵画と少しの絵画の説明文程度しか情報量がありません。

展覧会のメインの画家の作品なら説明が豊富なケースが多いですが、その他の作品に関しては作品名と画家の名前のみであることも少なくありません。

しかし今回はカラヴァッジョ以外の画家の作品に作品の紹介とその画家から見たカラヴァッジョ印象が紹介されています。

画家の作品だけでなく、パーソナリティーに迫った展示の工夫が今回の展覧会の魅力です。

素行不良の画家が描く緻密な絵画

カラヴァッジョは初期の頃、緻密な静物画と得意としていました。その実力が認められ有名になった画家ですが、何しろ素行の悪さで有名です。

夜な夜な剣を腰に差して出かけては喧嘩をするような人間だったそう。

それがエスカレートして殺人を犯し逃亡生活を送るはめになりました。生活に苦悩が満ちれば満ちるほどに、描かれる人物の表情は力強く、真に迫るものになりました。

逃亡の旅が広げたカラヴァッジョのスタイル

今回の展覧会では、彼に影響をうけた画家の作品も紹介されています。

光を強く当て、陰影を強調した描き方や背景が暗くシンプルな様子に共通点が見られます。

前述の通り、彼は素行がかなり悪いことで有名で何度も逮捕され、投獄され脱獄し、挙句の果てに殺人を犯してしまった人物です。

殺人のために逃亡生活を送ることとなってしまいましたが、そのことが彼の影響力を広げることになったと考えることもできます。

何しろイタリア北部で生まれた彼が最南端のマルタ島まで逃亡しているのですからその移動距離は驚愕です。

神話や聖書のモチーフを一般人をモデルに写実的に描く

マリアやキリストなどの聖書からの題材でも過度に理想化や美化することはせずにモデルを用いて写実的に描くスタイルは当時はとても新しく、批判を浴びたようです。

マリアの絵を娼婦をモデルに描いたら確かに批判されるのも無理はないですね。

しかしそうして一般の人をベースに描くことでポーズに臨場感が生まれますし、精緻に描ける利点があります。

期待を裏切らない展覧会でした

展示の内容、解説の細やかさ、画家のパーソナリティーに迫る映像など絵画を中心に据えつつ様々な切り口からみせる展示方法が大満足の展覧会になりました。

ぜひ一度足を運んで見てはいかがでしょうか?