戦略では埋まらないセパの野球の差 フィジカル時代の日本シリーズ

圧倒的な差を感じた2年連続スイープ

2020年のプロ野球日本シリーズは2年連続の4戦連勝でホークスの日本一に終わりました。

試合内容としても4戦合計で26−4と大差がつきTwitterやネットの反応を見ていてもこれまでの日本シリーズとは大きな違いでした。

2005年の334を引き合いに出し、あと11点、あと9点、あと7点という内容で盛り上がっていました。

もはや試合自体の展開や結果で楽しめるレベル感ではなく、ホークスの勝利を前提としてどう楽しむかになっていました。

セOBや解説は揃いも揃って戦術の差に逃げている。本質はフィジカルだ

この結果に対して解説やOB達は揃いも揃ってDHの差を挙げました。そのほかに印象的だった言葉はパリーグの野球はフルスイング、全力投球だがセリーグの野球はコンパクトに当てにいくスイングと投手はコントロールと変化球のキレを重視しているといったものです。

しかしこれはどちらも間違っています。

まずDHはずっとありました。過去に遡るとセリーグ優位の時代はありました。

そしてパリーグの選手はフルスイングという論に関してはフルスイングとうわけではなくそもそものスイングスピードが早いだけではないのか?という点です。さらにセリーグの選手がパリーグの投手のスピードについていけず、当てに行くしかないという考え方もできます。

フィジカル時代に小手先の技術は通用しない

ダルビッシュ投手がYouTubeで述べたように今の日本野球は技術野球がフィジカル野球にぶつかる瞬間がきています。

いくら技術の高い中学生でも高校や大学生の世界で活躍することは難しいでしょう。

ここまで極端ではないにせよ身体能力に差のあると結果にも大きく差がつきます。

ホークスは12球団の中でも特に早く科学的なトレーニングを取り入れ、栄養環境も用意してきた球団です。そういう基礎がしっかりしているチームに同リーグからの強奪や過去でいえば逆指名といった強化方法で強くなった井の中の蛙チームでは太刀打ちできないでしょう。

しかし、プロ野球のOBや解説は自身の現役時代に技術を用いても勝てない体験をしてこなかったため戦略や技の方に話が偏ります。本質はフィジカルの差なのに。

育成選手が活躍できるのもフィジカルの強化がポイント

12球団の中で最も育成選手が活躍しているのもホークスだと言えるでしょう。

千賀投手や甲斐選手をはじめとして主力メンバーの中にもかなりの数の育成出身選手がいます。

なぜホークスだけがこれだけの数の育成選手を活躍させることができるのか。

これもフィジカル強化が重要なポイントをになっています。

プロ野球で活躍するためにはソフトとハードつまり技術と身体の掛け合わせが重要ですが、この掛け算では片方が突き抜ければ合計の数値は大きくなり、プロで活躍できる可能性が大きく広がります。

その部分に着目し、トレーニングをする環境と風土を確立したホークスが強いのはいわば当然と言えるでしょう。

プロ野球はさらに進んだメジャー野球につながる

そもそもホークスの孫正義オーナーの経営手法を考えれば一目瞭然ですが、彼の経営というのは元はと言えばより進んだアメリカのビジネスモデルを日本に落とし込んで成功してきました。(もちろんそれだけではないですが)

それと同じことを野球でもやっているだけです。

今のメジャーリーグはより効率よく得点を撮るにはどうすればいいのかを考え、ホームランを狙い、フライボール革命を起こしました。

それに対抗し、ピッチャーは回転効率の高い、捉えにくいストレートと当てにくく、当たっても距離が出にくい大きなカーブなどの変化球を取り入れることが主流です。

この特徴はホークスの選手の戦い方にそっくりです。

つまりどんどんホークスそしてパリーグはメジャーの野球に近づいていきます。

セリーグはどんな野球をするのか、真剣に考える時ではないでしょうか?