カニエウエスト ジーザスイズキング
今回のアルバムはヒップホップ色がかなり弱く、ラッパーのアルバムという印象がかなり薄らいでいます。
カニエはこれまでもヒップホップの範囲を広げてきた、ジャンルに囚われない表現を行っているアーティストだと感じています。
その中でも今作ではゴスペルとジャンル分けされるような楽曲が収録されるなどこれまでと雰囲気が大きく変化しています。
アルバム全体で27分とレコード時代のような長さにまとめられており、カニエウエスト本人が歌う部分がない曲もあります。
アルバムのタイトルにあるようにキリスト教の色彩も強いものとなっています。
お気に入り曲
Every Hour
アルバムの最初の曲はカニエが再解釈したゴスペル。
日曜礼拝と呼ばれるライブを毎週開催する彼だからこその曲になっています。
もはやヒップホップの要素はなく、今作における彼のスタンスが現れています。
Closed on Sunday
この曲をYouTubeで見つけたことがニューアルバムに気づいたきっかけでした。
静かなアコースティックギターの音に呟くようなカニエの歌から始まります。
中盤の盛り上がる場面に流れるシンセサイザーの音は2つの音程を行ったり来たりするだけのなんとも奇妙な曲です。
普通ならもう一度コーラスがくるようなところで曲が終わり何度も聞き返したくなります。
On God
この曲が最もヒップホップかもしれません。
シンセサイザーの音はネオンのような、夜の都市を車で走り抜けるような感覚を与えます。
この曲もとても短く2分15秒しかありません。
筋肉質なアルバムに仕上がっていると感じます。